知っておきたい薬のあれこれ(南千住病院 薬局)
☆ お薬の用法 ☆
患者様が受け取った飲み薬の袋などには,必ずそのお薬を「いつ(あるいは,どんな症状のとき)飲んでください」という指示が書いてあります。これを「お薬の用法」と言います。主な用法としては,「起床時」,「食前」,「食直前」,「食後」,「食直後」,「食間」,「就寝前」などがあります。
それぞれの用法の目安は,次のようになります。
・起床時:朝起きてから朝食を食べる30分前までの間
・食前:ご飯を食べる30分前
・食直前:ご飯を食べる15分前
・食直後:ご飯を食べてから15分後
・食後:ご飯を食べてから30分後
・就寝前:寝るすぐ前
お薬の内容によっては,必ずしも当てはまらない場合もありますが,特に細かな指示のない場合は,上記のように飲んでください。また,決められた用法を守らないと,お薬の効果が弱くなったり,副作用の原因となったりする場合がありますので,お薬は,説明された時間にきちんと飲むようにしてください。
〜お薬について分からないことがあるときは,薬剤師までお尋ね下さい!〜
(2号より)
☆ お薬と食べ物の関係 ☆
服用したお薬は,主に小腸から吸収されて肝臓に入り,血液によって体の隅々に運ばれます。また,お薬は肝臓で分解されるものも多くあります。
お薬を飲む際に気をつけていただきたいことの一つは食品との相性で,飲み合わせが悪いと,お薬が効き過ぎたり,逆に効果が弱くなってしまったりすることがあります。
例その1
グレープフルーツの果肉やジュースに含まれる「フラノクマリン誘導体」という物質は,一部の血圧のお薬と一緒に摂取すると,肝臓でお薬の分解に関わる酵素の働きを妨害するため,お薬が効き過ぎてしまうことがあります。
例その2
納豆はビタミンKを多く含んでおり,血液凝固防止薬「ワルファリンカリウム」と一緒に摂取すると,血液をサラサラにする効果が弱くなってしまいます。また,ビタミンKを多く含むホウレン草などの青野菜のとりすぎにも注意が必要です。
例その3
一部の抗生剤は牛乳で服用すると,牛乳に含まれるカルシウムと結合して吸収されにくくなり,効果が弱くなることがあります。
紹介はほんの一例ですが,これらの相互作用は患者さん一人ひとりの体質や体調に左右されることもあり,誰にでも一様に起こるわけではありません。また,同じ働きをもつお薬でも成分によって相互作用の起こるものと起こらないものがあるため,医師や薬剤師の指示通りに正しく服用することが大切です。
(3号より)
☆ お薬の基本的な注意 ☆
治療のために服用するは薬であっても,正しく使用しなければ,時として悪い影響を及ぼすこともあります。そこで薬についての基本的な注意点をいくつか挙げたいと思います。
(4号より)
☆ お薬の飲み忘れを防ぐ ☆
お薬の飲み忘れは,痛みなどの自覚症状がある場合は比較的少ないようですが,慢性の病気で定期的に飲む必要のあるお薬の場合に飲み忘れることが多いようです。そこで,お薬の飲み忘れを防ぐ方法をいくつか紹介します。
飲み忘れた時は?
お薬を飲み忘れたことに気がついた時に,次のお薬を飲むまで時間がある場合は,気がついた時点で飲んでください。次のお薬を飲む時間が近い場合は,飲み忘れた分は服用せず,次の分から正しく飲んで下さい。飲み忘れた分も合わせて,2回分,3回分を一緒に飲むとお薬が効きすぎたり,副作用が出ることがあるので、やめてください。ただし,お薬によって対応が異なる場合もあるので,事前に医師,薬剤師などに確認しておきましょう。
(5号より)
☆ インスリン製剤 ☆
「インスリン」は血糖値を下げる働きのあるホルモンですが,糖尿病の患者様はインスリンの分泌能が低下しているため,足りなくなったインスリンを補給する治療を行う場合があります。この時に使用するのが「インスリン製剤」です。インスリンは口から飲んでも分解されてしまい,効果を発揮しないため,注射により投与します。インスリン製剤はその作用発現の早さから,速効型(R),中間型(N)及び二層型(10R〜50R)などに分類されますが,最近は超速効型(ヒューマログ,ノボラピッド)や新しいタイプの持続型(ランタス)などがあります。
インスリン製剤は医師・薬剤師の指示通りに使用し,特に以下の点に注意して下さい。
その他,インスリン製剤の使い方などで分からないことがあったら,薬剤師にお尋ね下さい。
(6号より)
☆ OTC薬 ☆
薬局で購入できる医薬品は,大きく分けると,医師の処方箋が必要となる「医療用医薬品(要指示医薬品)」と,医師の処方箋無しに購入できる「OTC薬」があります。
OTC薬とは“Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)”の略で,薬局のカウンター越しに購入できる薬という意味です。OTC薬は医師の処方箋が必要ないため,医療用医薬品に比べて容易に購入できる利点があります。
最近は,医療用医薬品のうち,比較的安全性が高く,軽度な症状に用いられるものがOTC薬として転用(スイッチ)され,販売されるようになってきました。これをスイッチOTC薬と呼びます。例えば,内服薬は,風邪薬,解熱・鎮痛・消炎薬,胃腸薬など,外用剤としては水虫薬,点眼薬,点鼻薬,痔疾用薬,滋養強壮薬などがあります。
また平成16年7月30日より,風邪薬等を除く一部のOTC薬(371品目)が,コンビニエンスストアでも販売されるようになり,以前よりも手軽に購入できるようになりました。しかし,OTC薬でも副作用等が発生する可能性がありますので,服用する際は添付文書をよく読み,用法・用量を守って正しくお使い下さい。また,病院で処方されたお薬を服用されている方がOTC薬を購入・服用される際は,医師又は薬剤師にご相談下さい。
(7号より)
☆ アレルギー ☆
ヒトをはじめ生き物の体(生体)には,体内に入った病原体のような有害な異物(抗原)から生体を守るために,抗体とよばれるタンパク質をつくって,抗原を排除するしくみがあります。これを免疫反応といいます。「はしか」に一度かかると再びかかりにくくなるのは,免疫反応の有効な一例です。しかし,免疫反応は時に生体に害のないものにも反応してしまいます。これをアレルギー反応と呼びます。アレルギー反応による代表的な疾患として,アレルギー性鼻炎・花粉症,アトピー性皮膚炎,気管支喘息,食物・薬物アレルギー,接触性皮膚炎などがあり,時には死に至ることもあります。アレルギー性疾患に用いるお薬については,また別の機会にお話しすることにさせていただきます。アレルギーの原因物質(アレルゲン)は花粉,ハウスダスト,金属など色々ありますが,食品や薬物も重大なアレルゲンとなります。過去に薬物によるアレルギーが疑われる症状が出たことのある患者様は,必ず職員に申し出て下さい。また,お薬は原料や製造過程に肉,魚,卵などの食品をはじめとして,アレルゲンとなりやすい物質が使われていることが少なくありません。このため,お薬だけでなく,食品などその他のアレルギーも必ず申し出るようにして下さい。
(8号より)
☆ 健康食品 ☆
「今回の定期健診の結果,コレステロール値が高かったのよね。運動や食事に気を付けていたのに…」とNさん。Nさんとお話ししていると,健康に良いと勧められたある健康食品を摂取していることが分かりました。しかもNさんは,賞味期限が迫っていたため通常の倍の量を取っていました。もしかするとこの事が影響したのではないかと思い一時この健康食品を止めて頂きました。その後Nさんのコレステロール値は正常値に戻ったそうです。
健康食品の中にはある疾病の人に悪影響を及ぼす物,医薬品と全く同じ成分の物,医薬品に影響を及ぼす物もあります。医薬品を服用中の方は念のため医師や薬剤師に相談の上,健康食品を利用するのが安心です。
(9号より)
☆ 点眼薬 ☆
点眼薬(目薬)は単に「眼に1〜2滴たらせばよい」といった程度の認識しかない方も多いのではないでしょうか?
点眼薬の多くは1本5mL程度の容量であり,1週間以上にわたって反復使用されるため,微生物に汚染される機会が多くなります。汚染された点眼薬を使用すると,角膜潰瘍などを起こすことがあります。点眼薬を使用するときには,あらかじめ手をよく洗い,点眼容器の先が指先,まぶた,まつげに触れないように注意しましょう。
「効きが悪いので,1回に差す量を多めにしている」という方もいらっしゃるでしょうが,この考えは間違いです。点眼薬1滴の容量は成人の結膜嚢(まぶたの裏側と思ってください)に保持出来る量より多いので,1回に点眼する量は1〜2滴で十分です。
点眼後は副作用の軽減や有効成分の血中濃度維持のためにも,数分間,涙嚢部(めがしら)を押さえたり,まぶたを閉じたりしましょう。また,薬液を全体に行き渡らせようと思うのか,点眼直後に何回もまばたきをしたり,眼を閉じてまぶたの上を指でマッサージしたりする人を見かけますが,点眼薬の眼からの排出を早めてしまい逆効果となるのでやめましょう。
複数の点眼薬を続けて使用する場合は,先に点眼された点眼薬は,後で点眼された点眼薬によって洗い流されてしまうので,5分程度の間隔をあけて点眼しましょう。ただし,医師の指示を受けている場合はそれに従って下さい。
最近はコンタクトレンズが広く普及していますが,点眼治療を行っている間は,コンタクトレンズを眼鏡にかえた方が望ましいです。コンタクトレンズを使用する場合でも,点眼時にはいったんコンタクトレンズを外して点眼し,5〜10分間あけてから再び装着するようにしましょう。医師から個別にコンタクトレンズ装用時の点眼が許可されているような場合であっても,刺激などの異常を感じたらすぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
(10号より)
☆ 不眠症 ☆
不眠には一過性に起きる不眠(数日程度),短期の不眠(1〜3週間),長期・持続性不眠(3週間以上)があります。症状から分類すると,入眠障害(眠るまでに3時間以上要する),中途覚醒(いったん寝ついても,途中で何度も目が覚めてしまう),早朝覚醒(明け方近くに目が覚めてそのまま朝まで眠れない)などがあります。
不眠には原因が不明なものもありますが,なんらかの原因があります。その原因を追求し取り除くようにすることが大切です。良い睡眠をとるためには・・・
不眠が解消しない場合には,状態に合わせて様々なお薬がありますのでご相談ください。
(11号より)
☆ 予防接種について ☆
以前,アレルギーの話題(あいわ8号)でも触れましたが,ヒトの体には免疫反応と呼ばれる仕組みがあります。その仕組みを利用して,特定の感染症に対する抵抗力(抗体)を人工的に増強させる方法として,「予防接種」があります(医学以外の世界では昔から,荒行,乾布摩擦,気合いなど色々あるようですが・・・)。
予防接種に使う薬剤として「ワクチン」があります。ワクチンには,生きた病原体の毒性を弱めた「生ワクチン(ポリオ,はしかなど)」,薬剤などで殺した病原体やその成分の一部を利用する「不活化ワクチン(日本脳炎,インフルエンザなど)」,細菌の毒素のみを取り出し,それを無毒化した「トキソイド(ジフテリア,破傷風など)」の3種類があります。
一般に生ワクチンは1回の接種で抗体獲得率が高く(ただし,最近では生ワクチンでも2回接種が検討されているものもあります),長期間有効なものが多くありますが,まれに予防接種によりその病気の症状が現れることがあります。また,生ワクチンは一部を除いて,免疫力が低下している患者様や妊婦には禁忌であり,生ワクチン接種後に他のワクチンを接種する場合には4週間以上の間を空ける必要があります。
一方,不活化ワクチンやトキソイドは,生ワクチンに比べて安全性は高いですが,有効な強さ(抗体価)にするために複数回の接種が必要であり(ただし,インフルエンザワクチンは毎年流行するウイルス株が異なる可能性が高いことや,複数回投与による有効性と経済性のバランスなどを考慮し,1回接種が主流となっています),その有効期間も短いものが多いと言われています。不活化ワクチンやトキソイドを接種後に他のワクチンを接種する場合には,1週間以上間を空ける必要があります。
ワクチンはその成分(添加物も含む)によってアレルギー反応などの副作用をおこす場合があり,接種時の体調によっても安全性が左右されることから,接種前に医師とよく相談し,接種後(ワクチンの種類により数日〜数週間)も体調管理を十分に行って下さい。その他,予防接種に関する詳細は,医師や医療スタッフから随時説明させていただきます。また,予防接種に関する質問などございましたら,ご遠慮なくお問い合わせ下さい。
(12号より)
☆ EPA・DHA ☆
厚生労働省研究班の調査で,魚を週に8食食べる人は,1食しか食べない人に比べ,心筋梗塞を発症する危険度が60%近くも低いことが分かったそうです。
魚に含まれている成分であるEPAやDHAにこの効果があります。このEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は青魚(鰯・鯖・秋刀魚・鯵等)に多く含まれる多価不飽和脂肪酸で,血液中の中性脂肪やコレステロールの増加を防ぎ,血栓を作りにくくし血液をサラサラにして動脈硬化を防ぎます。
EPAは医療用のお薬にもあり,高脂血症や閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍,疼痛,冷感の改善に用いられています。食事が欧米化され魚の摂取量が減りつつある昨今,ほどよく魚を食事に取り入れて血管を柔軟にしましょう。
(13号より)
☆ ジェネリック医薬品って??? ☆
お医者さんで処方してもらうお薬には「新薬(先発医薬品)」と同じ成分,同じ効果で価格の安い薬「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」があります。
「新薬」として最初に発売された薬は特許に守られ,開発したメーカーが独占的にその薬を製造販売することができます。これが「先発医薬品」です。ところが特許期限が切れると,他のメーカーも同じ成分,同じ効果の薬を製造できるようになります。これが「ジェネリック医薬品」で,その価格は新薬の2〜8割に設定されています(価格は先発医薬品同様に国が決めます)。通常,新薬の研究・開発には十数年の歳月と数百億円の膨大なコストがかかりますが,ジェネリック医薬品はその過程を大幅に削減できるため,安い価格で販売できるのです。
ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ速さ,同じ量で,薬の成分が血液中に入っていくかを調べる試験(生物学的同等試験)を経て発売されているので先発医薬品と同じ効果が期待できます。ただし,先発医薬品と主成分が同一であっても,お薬には主成分以外にも添加物や基剤(外用薬の成分の一部)などに企業のノウハウが詰め込まれているので,体の中で完全に同一の動き(体内動態)をたどるとは限りません。また,適用症も先発品と異なる場合もあります。ジェネリック医薬品を使用する場合には,これらの事を理解した上で使用することが重要となります。
国の方針としてもすすめられているジェネリック医薬品ですが,種類も多く(例えば,ラシックスと言うお薬のジェネリック医薬品は11種類あります),どこの医療機関でも扱われているわけではありませんので,ご希望の場合は医師又は保険調剤薬局の薬剤師にご相談ください。
(14号より)
☆ 薬剤師とは? ☆
皆さんは薬剤師に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
おそらく多くの方は,薬局や薬店でお薬を作っている,あるいは販売している姿を想像するのではないでしょうか。
そもそも薬剤師ってどんな仕事をしている人たちなのでしょう?
薬剤師法によると,「薬剤師は,調剤,医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって,公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もって国民の健康な生活を確保するものとする」と規定されています。
簡単に言うと,クスリに関するあらゆる場面でクスリの専門家として関与しているのが薬剤師です。よって,その活躍の場は病院や調剤薬局はもちろん,企業(製薬,食品,化粧品など),官公庁,教育機関など多岐に渡ります。
当院の薬剤師は,当然ながら病院薬剤師としての仕事をしています。病院薬剤師の主な仕事は調剤業務,製剤業務,服薬指導,医薬品管理業務,医薬品情報管理業務,薬剤管理指導業務などがあります。各業務内容は次回以降にお話しします。
参考までに,薬剤師になるには薬剤師国家試験に合格しなければなりません。薬剤師国家試験の受験資格は,これまでは4年制の大学で薬学に関する正規の過程を卒業した人(要は,4年制の薬学部を卒業した人)となっていましたが,平成18年4月の入学者からは6年制となりました。
(15号より)
☆ 薬剤師とは?<第2回> ☆
今回は,前回お話した病院薬剤師の業務のうち,「調剤業務」について説明します。
調剤業務は,薬剤師の業務の中では最も大きなウエイトを占める業務です。調剤は一部の例外となる場合を除いて,薬剤師にしか許されていない行為なのです。
調剤はまず,患者様の年齢,性別,病状,他に服用しているお薬との相互作用(飲み合わせ)などを考慮し,医師の記載した処方箋の内容(薬剤名,用法,用量,処方日数など)が適切かどうかを確認します(薬剤師の腕の見せ所です!)。処方箋の内容が適切であると判断されれば,処方箋に基づいてお薬を調合します。当院では,調合されたお薬をさらに別の薬剤師がもう一度確認(監査)する「二重調剤」の体制をとっており,安全性の高い調剤を常に心がけております。こうして調合されたお薬を,患者様にお渡しします。お薬は正しい情報(用法,用量,服用上の注意など)と一緒になってはじめて効果を発揮します。薬を調合し,正しい情報と合わせて患者様にお薬をお渡しするまでが調剤業務となります。
当院では薬剤師が内服薬,外用薬及び注射薬の調剤業務を行っております。
(16号より)
☆ 薬剤師とは?<第3回> ☆
今回も,引き続き病院薬剤師の業務のお話です。今回は「製剤業務」について説明します。
製剤業務とは,一般で販売されていないお薬を院内で作る仕事です。例えば,販売されていない剤形のお薬を作ったり,市販されているお薬どうしを混ぜ合わせたりして,患者様の使い勝手の良いお薬を作ったりします。
また,入院患者様の注射薬を混ぜ合わせるのも,製剤業務にあたります。当院では,危険性の高い中心静脈栄養療法に用いる高カロリー輸液の混合は,クリーンベンチという特別な装置の中で行っています。
中心静脈栄養療法とは,長期間食事が摂れない患者様に,鎖骨下もしくは足の付け根の辺りから,中心静脈と呼ばれる太い血管に管(カテーテル)を入れ,高濃度の輸液を持続的に注入する方法です。
クリーンベンチは,その庫内が清浄度100(1立方フィート(28320立方センチメートル)辺り0.5マイクロメートル(1マイクロは1ミリの1000分の1)以上の粒子が100個以下)に保たれており,限りなく細菌が存在しない条件下で注射薬を混合することが出来ます。また混合作業は,滅菌済みの衣装,手袋などを装着して行います。
このような条件で混合することにより,危険性の高い治療法であっても患者様へ安心して投与出来る,清潔な注射薬をつくることが可能となります。また,当院の薬剤師は,注射薬を出来る限り患者様に投与する直前に混合することも,常に心がけております。
(17号より)
☆ 薬剤師とは?<第4回> ☆
今回も,引き続き病院薬剤師の業務のお話です。今回は「医薬品管理業務」について説明します。
医薬品管理業務は,簡単に言えば,院内にある全ての医薬品の流通管理や品質管理などを行う業務です。しかし,一般の物流管理と異なり,医薬品はさまざまな法律の規制が加わっているため,その管理は細部に渡って厳重に行わなければなりません。麻薬,向精神薬,覚せい剤(当院では扱っていません),覚せい剤原料,特定生物由来製品(血液製剤など),毒劇薬,毒劇物(毒劇薬は治療に用いる医薬品ですが,毒劇物は試薬などで使用し,人が飲んではいけないものです),危険物(可燃性の物質など)などではなおさらです。また,医薬品は非常にデリケートなものですから,そのお薬に合った保管状態を維持しなければなりません(例:温度に弱い,湿気に弱い,光に弱い・・・など)。出来るだけ製造年月日の新しいお薬を患者様にお渡しできるように,院内の流通量や在庫量を適正に管理することも重要となります。
(18号)