おもいっきりクリニック
(川嶋 朗 
東京女子医科大学附属青山女性・自然医療研究所 所長


  「なんか変だが検査をしても異常がないといわれお医者さんは相手にしてくれない。」「異常があるのは明らかだが,お医者さんに治療法はないといわれた。」「薬が嫌い。」「自分にあった食材や健康食品のことを相談したいが誰に相談してよいかわからない。」「食べながら減量したい。」「難病で治療に行き詰まっている。」「癌になりたくない。」など医療機関に相談したくてもどうにもならないということでお悩みの方も多いと思います。

 この度,東京女子医科大学が青山に東京女子医科大学附属青山女性・自然医療研究所自然医療部門を開設し,初代の所長(身分は講師)として小生こと川嶋 朗が赴任しました。完全自由診療ですが,患者様のあらゆる悩みにお答えしようというのがこの研究所です。具体的なことは次回以降で解説しますが,おもいっきりクリニックの誕生とお考えください。次回以降いろいろな話題を提供したいと思います。ご期待ください。

(2号より)


 第1回目でお話しましたように,西洋医学で対処できないものは少なくありません。ではどうすればよいのでしょう?そこで登場するのが相補(補完)・代替医療Complementary and Alternative Medicine(CAM)です。それではCAMとは何でしょう?まだ厳密な定義はないのですが,現時点では近代西洋医学以外のものすべてとお考え下さい。すなわち食品の特長を生かした食養生,ビタミンやプロポリス,アガリクスなどのサプリメント,漢方薬,鍼灸,気功,カイロプラクティックなどの徒手療法,アロマセラピー,音楽療法,温泉療法,瞑想などが含まれます。このうち保険診療が可能なのは漢方のみです。というわけで小生の南千住病院の外来では漢方を取り入れています。この他に今話題のセカンドオピニオンとしてCAMを含めたご相談,またサプリメントや食養生などのご相談も可能です。次回からは各論です。

(3号より)


西洋薬は風邪を治せない!


 2003年12月8日の朝日新聞の夕刊に「風邪に抗生剤は無効」という記事が一面に堂々と載りました。二次感染予防にもならないそうです。やっと認めたかと安心しました。特定のウイルスに対する治療薬はありますが風邪に対するものはありません。西洋薬はあくまで対症療法です。発熱や扁桃痛に対して鎮痛解熱剤、咳嗽に対して鎮咳剤、鼻汁に対して抗ヒスタミン剤が一般的ですが、決して治しているわけではありません。もしこのような風邪薬が風邪を治せるならSARS(風邪の一種といえます)も治せるはずですが隔離するしかありませんでした。つまり西洋薬では風邪を治せないのです。治せないばかりか、ウサギの実験ではウイルスに感染し発熱したウサギに消炎鎮痛剤を投与すると解熱はしますが7割が死んでしまうのです。子供にはすでにアスピリンは禁忌薬です。対症的な西洋薬は残念ながら免疫力を低下させてしまいます。ですから風邪薬を服用し続けているのに治らないということを経験した方がいるかもしれませんが、そういう方はまず風邪薬を止めてみることをお勧めします。では風邪をひいたらどうしましょう?漢方薬の出番です。漢方薬は直接ウイルスを排除することは出来ませんが、免疫力を増強し風邪の経過を短縮します。もちろん眠くなるなどの副作用はなく、西洋薬に比べればはるかに安全です。初期なら葛根湯、小青竜湯、麻黄附子細辛湯などを、少しこじれたら柴胡桂枝湯、小柴胡湯、麦門冬湯などを服用します。是非外来でご相談ください。

(4号より)


花粉症は治る?


 花粉症の季節になりました。今年は飛散量が少ないとはいえ、マスクをかけた方を街角で見かけます。実は小生も花粉症患者でした。「でした」というのは治ってしまったからです。花粉症といえば薬物療法、減感作療法、レーザー治療などがありますが、根本的には減感作療法(アレルギーの原因が特定できればそれを少量ずつ体内に入れることで、体に抵抗力をつけさせようとする治療法です。スギ花粉症への有効率は65〜75%程度とされています。)以外に治すことはできないといわれています。薬物としてはアレルギー反応を抑える薬物を予防的あるいは対症的に使用しているのが現状で、根本的な治療薬は西洋薬にはありません。確かに症状のコントロールはつきますが、眠くなるという欠点が多かれ少なかれあります。そこで漢方薬の登場です。漢方は長くのまなければ効かない?いやいやそんなことはありません。対症療法的(標治といいます。)に使用できるものもたくさんあります。その代表は小青竜湯です。より体の冷える方であれば麻黄附子細辛湯、逆に炎症が強くそれほど冷えない方なら辛夷清肺湯、感染を伴いやすい方なら荊芥連翹湯、胃腸の弱い方なら苓甘姜味辛夏仁湯などがお勧めです。これらを用いれば眠くならずに症状をコントロールすることができます。表題に書きましたように「治る」ことは可能でしょうか?おそらくイエスです。中(国)医学では花粉症は「肺(あくまで五臓六腑でいう肺です)の病」です。五臓六腑の考え方を用いると(詳細は省きますが)肺を治すには脾(解剖学的な脾臓ではなく)すなわち胃腸を治さねばなりません。漢方薬を用いれば体質を変えることが可能です。花粉症の時季が去り、対症療法の必要がなくなったときこそ根本的な治療(本治といいます。)のチャンスです。じっくり治療すれば花粉症体質からの脱却も夢ではありません。

対症療法に、根本治療に漢方薬を用いてみませんか?

(5号より)


夏バテってなに?そして夏こそ冷え性対策を!


夏になるとよく夏バテという言葉を耳にします。夏バテという病気は西洋医学の教科書にはありません。中(国)医学では日本の夏に当たる季節を夏、長夏に分けています。中医学では夏には「暑」邪、長夏には「湿」邪による病気になりがちであるとしています。日本の夏は高温多湿ですから暑邪にも湿邪にも侵されやすいといえます。では暑邪や湿邪によって生じる病態とはどのようなものでしょう?暑邪に侵されると、頭痛、発熱、心煩(イライラ)、口渇、自汗、めまいなどが起こります。これがいわゆる夏バテの典型でしょう。これに湿邪が加わると、食欲不振、下痢、疲労などが起こります。夏バテには補中益気湯がお勧めです。イライラには抑肝散、口渇には白虎加人参湯、多汗には防已黄耆湯、めまいには半夏白朮天麻湯、食欲不振には六君子湯、下痢には人参湯などを用います。本来なら暑邪に侵されないように、スイカ、トマト、キュウリなどの涼性の食物をとるというのが先人の知恵でした。しかし最近は冷房によって体を冷やし、さらに涼性の食物や冷たいものをとって冷え切ってしまう傾向が見られます。夏にかえって冷え性傾向が強くなることも少なくありません。冷えは体力を消耗させ万病の元になります。癌やうつ病などは必ずといってよいほど冷えを伴います。冷たいもののとりすぎ、冷房に注意しましょう。特に冷え性の方は暑くても冷房や冷たいものは厳禁です。夏に頑張らねば悲惨な冬、そして恐ろしい病気が待っています。

(6号より)


更年期障害と自然療法


 更年期とは妊娠可能な年齢からその能力が消失した時期への移行期で、個人差はありますが一般には40歳代後半から50歳代前半をさします。この時期の月経は不順になりやがて閉経にいたる時期で、様々なホルモン異常や種々な精神的な変化が現れ、その結果として色々な症状(更年期症状)が出現します。このうち治療を要するものを更年期障害といいます。代表的な症状は、動悸、イライラ、発汗、顔がほてる、腰や手足が冷える、不眠、憂鬱感、無気力感、頭痛、めまい、吐き気、疲れやすい、手足がだるい、目が疲れる、腰痛、肩こり、手足の痛みやしびれなどです。更年期障害に対する西洋医学的手段といえばホルモン補充療法(HRT)か精神安定剤くらいしかありません。しかしながらHRTは、乳癌、子宮体癌、血栓症、肝臓病、腎臓病、心臓病などを誘発しやすく、高血圧、糖尿病、子宮筋腫、子宮内膜症などを悪化させることがあり、わが国では、HRT以外を希望する患者さんが多いというのが現状です。ではどのような方法があるのでしょう?まずは、食事です。女性ホルモン様作用を持つイソフラボンを含む大豆食品やカルシウムを多く含む小魚を心がけて取りましょう。サプリメントとしては、大豆イソフラボンやカルシウム・マグネシウム、ビタミンDやKなどが代表です。漢方薬では肩こり、頭痛、冷えとのぼせ、便秘、不眠、イライラなど多愁訴には加味逍遙散、のぼせ、発汗、肩こりなどには桂枝茯苓丸、冷え、肩こり、頭痛、めまい、むくみなどには当帰芍薬散などといった処方を選択します。

 このようにHRT以外にもいろいろ方法があることがおわかりいただけたと思います。

 どうぞお気軽に外来でご相談ください。

(7号より)


 忘・新年会シーズンです。お酒の弱い方にとってまさに試練のときです。平日にお酒を飲む機会も少なくないこの季節、お酒が強い方でもついつい飲みすぎて、翌朝飲むんじゃなかったと反省することはありませんか?お酒を飲みすぎないことが肝臓をいたわる何よりの良策ですが、しまったというときのために、肝臓の機能を助けてくれるツボをご紹介しましょう。まずは期門(乳首を真下に下がった線と一番下の肋骨の下縁が交わるところ)です。特に飲みすぎた後は強く押しすぎると吐いてしまうこともあるのでさする程度にしましょう。それから大衝(足の甲で足の親指と人差し指の骨が合わさったところの前の凹みで押すとズーンとひびくところ)。こちらはしっかり押しても大丈夫。普段からお灸(せんねん灸でOK)や指圧をして体調を整えておくのも良いでしょう。

 さて二日酔いといえば、頭痛、胃もたれ、むくみです。これに有効な漢方薬は五苓散です。飲む前に一包、飲みすぎたら寝る前に一包服用するとあら不思議、翌日が全く違いますよ。非常に酔いやすく、顔もすぐ赤くなってしまい、頭が痛くなったりのぼせてしまう方には黄連解毒湯がお勧めです。酒毒を消す有名な処方です。大変苦い漢方薬ですが、良薬口に苦し、飲む前に一包服用しておきましょう。

 漢方医学を上手に利用してこのシーズンを乗り切りましょう。でも最も大切なのは無理に飲みすぎないことですよ。

(8号より)


眠くならない花粉症の治療


 花粉症の季節になりました。今年は飛散量が多く、悲惨(洒落になりますね)な方も少なくないようです。花粉症といえば薬物療法、減感作療法、レーザー治療などがありますが、根本的には減感作療法(アレルギーの原因が特定できればそれを少量ずつ体内に入れることで、体に抵抗力をつけさせようとする治療法です。スギ花粉症への有効率は65〜75%程度とされています。)以外に治すことはできないといわれています。年月のかかる(最低2年)治療でもあります。薬物としてはアレルギー反応を抑える薬物を予防的あるいは対症的に使用しているのが現状で、確かに症状のコントロールはつきますが、眠くなるという欠点が多かれ少なかれあります。ステロイドホルモンの注射は有効ですが、副作用を考えるとちょっと(?)という方もいらっしゃるでしょう。

 そこで漢方薬の登場です。漢方は長くのまなければ効かない?いやいやそんなことはありません。対症療法的(標治といいます。)に使用できるものもたくさんあります。その代表は小青竜湯です。より体の冷える方であれば麻黄附子細辛湯、逆に炎症が強くそれほど冷えない方なら辛夷清肺湯、感染を伴いやすい方なら荊芥連翹湯、胃腸の弱い方なら苓甘姜味辛夏仁湯などがお勧めです。これらを用いれば眠くならずに症状をコントロールすることができます。

 また漢方薬を用いれば体質を変えることが可能です。花粉症の時季が去り、対症療法の必要がなくなったときこそ根本的な治療(本治といいます。)のチャンスです。じっくり治療すれば花粉症体質からの脱却も夢ではありません。

 対症療法に、根本治療に漢方薬を用いてみませんか?

(9号より)


 検査ではなんの異常もないのに、以下のような症状を感じている方はいらっしゃいませんか?

 そんな方は「冷え性」かもしれません。

 冷え性とは一般的には、手足や腰などがいつも冷たく感じる症状あるいは体質のことを指します。西洋医学にはその概念がありませんが、強いて言えば、血行不良や(代謝の低下による)熱生産不足で説明されます。最近はエアコンで冷やされ、冷蔵庫にはいつでも冷たい飲み物があり内からも冷やすためか、夏でも冷えを訴える方が少なくありません。冷えは未病。放っておくと本当の病気になってしまいます。本当の病気になる前に対策をたてねばなりません。夏こそ冷えを予防する時季です。一度生活習慣を見直し、漢方薬で体質を変えてみませんか?

 冷え対策に関してご相談のある方はお気軽にご相談ください。

(10号より)






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